- 塗装コラム
- 2023年4月13日
モルタル外壁とは?塗装のタイミングと注意点を徹底解説
いつもウォールハーツのブログを読んでいただきありがとうございます。
今回は、外壁材の中で、独特な凹凸デザインを持つモルタル外壁の塗装についてお伝えします。
築年数が25年前後の一軒家によく使われていたモルタル外壁ですが、塗装する上でいくつかの注意点がありますので、モルタルを使った家の外壁塗装をご検討されている方はぜひ参考にしてみてください(^^)♪
モルタル外壁とは?塗装のタイミングと注意点を徹底解説
目次
モルタル外壁とは?
モルタル外壁とは、水と砂とセメントで作られたモルタルを素材とした外壁材のことを指します。
通常の外壁材(サイディングなど)は、防水紙の上に壁材を貼っていく工法なのですが、モルタル外壁は、防水紙の上にモルタルを塗っていく工法なため、職人の技術力が問われ、一軒一軒がオリジナルデザインとなります。
日本の古風な雰囲気を演出できる独特なデザインで、1980年代頃に流行り、現在だと築25年~30年くらいの一軒家に多く見られます。
モルタル外壁の種類
モルタル外壁には4種類あり、それぞれ模様や質感が異なります。
窯業系サイディングや金属系サイディングと違い、表面に凹凸があり、独特な雰囲気があります。
モルタル外壁のメリットとデメリット
<モルタル外壁のメリット>
❶デザインの自由度が高い
モルタル外壁の最大のメリットは、模様やパターンを自由に描くことができる点です。
職人さんたちが一つ一つ工具を使い、手作業で仕上げていくため、お洒落で幅広いデザインを楽しむことができます。
❷遮熱性に優れる
モルタル外壁には、太陽光の温度を遮断し、室内をより快適にする効果があります。
また、塗装の際は遮熱効果のある塗料を選ぶことで、さらに効果が増し、夏場の冷房にかかる電気代を節約することができます。
❸目地が少ない
モルタル外壁は、下記の図の通り、外壁材と外壁材のつなぎ目にある目地シーリングがありません。
通常、目地シーリングは時間の経過とともに劣化し、メンテナンスが必要なのですが、モルタル外壁にはその手間がかかりません。
そもそも目地シーリングとは、外壁同士の隙間を埋めるためのゴム状のもので、雨水の侵入を防いだり、地震等の振動を吸収して外壁への負荷を減らす役割を果たします。(防水性と耐震性の強化)
モルタル外壁には目地シーリングがない為、外壁の定期的な塗装さえしておけば、大丈夫です。
ただし、窓廻りのシーリングはありますので、そこのメンテナンスは必要です。
<モルタル外壁のデメリット>
❶ひび割れが発生しやすい
モルタル外壁の最大の弱点は、ひび割れしやすいところです。
理由は、モルタル外壁は振動を吸収してくれる目地シーリング部分が無く、その分、揺れの負荷を受けやすいからです。
外壁のひび割れは雨水の侵入経路を作ってしまうため、放置せずに定期的なメンテナンスが必要です。
❷凹凸部に汚れが溜まりやすい
モルタル外壁は、表面がザラザラしており、凹凸のあるデザインが多いため、そこに汚れが溜まりやすい弱点があります。
汚れが付着しやすいということは、それを栄養源とするカビや苔、藻が発生しやすいということになります。
これを放置すると、洗っても汚れが落ちづらくなるため、見つけたらブラシなどで優しく擦ってお掃除していくことが大切です。
❸壁自体が水を吸収しやすい
モルタル外壁は、水と砂とセメントで作られておりますが、素材上、水を吸収しやすいという弱点があります。
時間が経つにつれて紫外線などの影響で表面の塗膜が劣化し、防水性が弱まった途端、雨水を吸収しやすくなります。
それによって下地が腐敗し、雨漏りを起こすことがあるので、塗装時にはできるだけ厚い塗膜を作る必要があります。
モルタル外壁の劣化症状
モルタル外壁は、表面の塗膜の防水性や耐震性が時間の経過とともに弱まってくるため、定期的な塗装のメンテナンスが必要です。
本章では、モルタル外壁の劣化症状についてお伝えしていきます。
ご自宅にモルタル外壁を使っている方は、どういった時に塗装のメンテナンスが必要なのかを判断するために、各症状が起きているかどうかを確認してみてください。
ヘアークラック
塗装の必要性:★☆☆☆☆
ヘアークラック(Hair Crack)とは、髪の毛のような細いひび割れの症状を指します。
具体的には幅0.3mm未満、深さ4mm未満のひびがヘアークラックに該当します。
あくまでも表面部分のひび割れにすぎない為、雨水が内部に侵入することはほとんどありません。
しかし、時間が経つにつれてひび割れの本数が増えていないか、ひび割れの幅が広がっていないかは確認しておいた方が良いです。
構造クラック
塗装の必要性:★★★
幅0.3mm以上、深さ4mm以上の比較的深いひび割れの症状です。
これは表面だけでなく深いところにひびが入っているため、これを放置すると、雨水が侵入し、建物内部の腐敗につながります。
よって、補修や塗装によるメンテナンスが必要になってきます。
チョーキング
塗装の必要性:★★☆
チョーキングとは、外壁を触った時に付着する白っぽい粉です。
これは、紫外線により塗膜が分解されて発生する粉で、この症状が見られるときは、外壁の表面の塗膜が劣化し、防水性が無くなっている証拠です。
モルタルという外壁材は、水を吸収しやすいため、チョーキング発生時には、塗装を行い表面の塗膜を強化する必要があります。
浮きや剥がれ
塗装の必要性:★★★
紫外線や雨風の影響で塗膜に浮きや剥がれが起きる症状です。
ここまで劣化が進行した場合、塗膜の防水性がなく、外壁を保護する機能が無くなってしまっているため、早急な下地処理と塗装のメンテナンスが必要です。
モルタル外壁の塗料の選び方
モルタル外壁は、ひび割れしやすいという最大の弱点があるため、塗料を選ぶ際には、ひび割れを覆う性能のある弾性塗料というものが選ばれます。
弾性塗料は伸びる性能を保つ為、ひび割れが起きにくく、万が一モルタル外壁にひびが入ったとしても、塗膜が伸びてひび割れ箇所を埋めてくれる効果があります。
塗装の基本は3回塗り
モルタル外壁に限らずですが、いかなる外壁材であっても塗装には「3回塗り」という基本ルールがあることを知っておく必要があります。
3回塗りの順番は、下地(外壁材)の上に塗る下塗り、次に下塗りの上に塗る中塗り、最後に仕上げそして塗る上塗りという工程で行われます。
外壁は毎日のように、紫外線や雨風の影響を受ける為、3回重ね塗りを行うことで塗膜を厚くし、塗料の耐久性を最大限に引き出す必要があります。
また、場合によってはより厚く塗装を行うために4回以上塗装がされることもありますので、ここを踏まえた上で、モルタル外壁の塗料の選び方をお伝えしていきます。
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モルタル外壁の塗装時に選ぶべき塗料
モルタル外壁は、目地シーリングがないため、ひび割れが起きやすい特徴があります。
塗料を選ぶ時は、ひび割れが起きにくく、伸縮性が含まれた弾性塗料を使う業者に依頼することをオススメします。
弾性塗料は大きく分けて3種類あり、下塗り、中塗り、上塗りのどの段階で使うのかによって種類が分かれています。
耐久性の高い順番から解説していきます。
複層弾性塗料(中塗り塗料)
複層弾性塗料は、最も塗る回数が多く、新築時など外壁に塗装がされてない時に、厚い塗膜を作るために使われる塗料です。
具体的には、下塗りの後に、中塗りとして複層弾性塗料を2回塗り、最後に仕上げとして上塗りを2回行い、合計5回塗りで行われます。
複層弾性塗料の上には、上塗り塗料(仕上げ塗料)として、シリコンやフッ素、無機などお好みのカラー塗料を選ぶことができます。
複層弾性塗料は基本的には新築時に使われる塗料ですので、塗装のメンテナンス時に使われることはほぼありません。
厚い塗膜を作れるため耐久性に最も優れますが、工程数や塗料の量が多い為、最もコストがかかる塗装手法でもあります。
単層弾性塗料(上塗り塗料)
単層弾性塗料とは、弾性効果のある塗料に色がついており、そのまま上塗り時に仕上げとして塗ることができる塗料です。
まずは下塗りを行い、その後に単層弾性塗料を上塗りとして2回塗れば完了です。
単層弾性塗料は、仕上げ時に使われることから、好きなカラーを選ぶことができますが、基本的にはアクリルやシリコングレードの塗料しかありません。
※たまに弾力性のあるフッ素や無機塗料もあります。
微弾性塗料(下塗り塗料)
微弾性塗料とは、下塗り時に使われる伸縮性を持った塗料です。
下地というのは、水を吸い込みやすいので、いきなり仕上げの塗料を塗ったとしても、下地に吸い込まれてしまい、十分な耐久性を発揮することができません。
そこで、下塗り塗料を使い、水の吸い込みを抑止し、その上に塗る塗料との密着性を高めることができます。
下塗り塗料には、基本的にはシーラーやプライマーといったサラッとした液状のものが使われるのですが、モルタル外壁の場合は、微弾性フィラーという、生クリームのようなフワッとした厚みのある塗料が使われます。
なぜなら、微弾性フィラーは、割れやすいモルタル外壁にとって、ひび割れに追従することができるからです。
微弾性フィラーは、新築時の外壁ではなく、塗装メンテナンス時に、モルタルのような割れやすかったり、凹凸のある外壁に使われることが多いです。
モルタル外壁の塗装の注意点
モルタル外壁の塗装にはいくつかの注意が必要です。
もし業者選びに不安に思った方は、以下の注意点に対してきちんと対処してくれるかどうかを聞いてみてください。
ひび割れの幅や深さによって適切な下地補修を
第2章のモルタル外壁の劣化症状で、ヘアークラックと構造クラックについて説明しましたが、どちらのひび割れが起きているのかを見極めた上で適切な補修を行う必要があります。
例えば、比較的ひび割れが浅いヘアークラック(幅0.3mm未満、深さ4mm未満)の場合は、第3章で説明した微弾性フィラーを下塗りに使うことでひび割れ箇所を埋めることができます。
しかし、ひび割れが深い構造クラック(幅0.3mm以上、深さ4mm以上)の場合は、微弾性フィラーを使ったとしても十分な穴埋めができず、すぐにひび割れが再発してしまいます。
構造クラックの場合は、Uカット工法という、ひび割れ箇所の周辺を電気工具で切り込み、その後に専用のシーリング材でしっかり埋め込む必要があります。
このように、ひび割れの幅や深さをミリ単位で正確に見極め、それぞれ適切な下地処理を行うことで、よりひび割れがしづらく、耐久性の高い塗装を行うことができるのです。
塗装により模様の凹凸が弱まる可能性がある
塗装を行う目的は、外壁の表面の塗膜を厚くし、防水性や耐震性を強化することです。
モルタル外壁は表面の凹凸のデザインが特徴なため、塗装を行うことで若干模様が無くなることがあります。
どうしても元々の模様を残したい場合は、前述した生クリーム上で厚みのある微弾性フィラーではなく、薄い液状のシーラーを使ったり、塗装ではなくスプレーを使った吹き付けを行った方が良いです。
ここに関しては、デザインを重視するのか、耐久性を重視するのか、お客様のご希望を考慮した上でバランスの良い塗装を行う業者に依頼するべきです。
柔軟性を持った塗料を使うこと
一般的に、家を長持ちさせるためには、ランクの高いフッ素塗料や無機塗料を使う場合がありますが、硬く頑丈な分、ひび割れが起きやすかったりするので、伸縮性を持った添加剤を混ぜて使ったり、下塗り時にひび割れに追従しやすい弾性塗料を使ったりすることが大切です。
ランクの高い(耐久性の高い)塗料にも必ず弱点があるので、弱点をカバーできる塗装を行える業者に依頼しましょう。
表面だけ綺麗にして済ますのではなく、10年後20年後先のことを考えて、誠実に提案し、丁寧な施工を行う業者は優良な業者です。
ちなみに、耐久性が高いフッ素や無機塗料について気になる方は以下ブログを読んでみてください。
フッ素塗料を選ぶ前に知っておきたいこと【どんな人にオススメ?価格や注意点を解説】
無機塗料を選ぶ前に知っておきたいこと【どんな人にオススメ?価格や注意点を解説】
塗布する量と時間に余裕を持った施工を
モルタル外壁は、水分の吸い込みが強かったり、凹凸があるため塗料を消費しやすい性質があります。
これを考慮した上で、適切な塗料の量を判断しないと、想定よりも塗料の長持ち効果が薄れてしまいます。
また、適切な量を決めるだけでなく、塗料をしっかりと乾燥させることも大切です。
通常の外壁よりも、各塗装工程の後に、塗料が乾燥したり密着したりするのに時間を設ける必要があるため、施工時間や塗料の量に余裕を持ったスケジュール管理を行う業者に依頼することをお勧めします。
ここで述べたのはモルタル外壁の塗装に着目した上での注意点ですが、業者選びに失敗しない為には他にも全般的な注意点がありますので、気になられた方はぜひ下記記事もご確認ください。
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さて、本日はモルタル外壁の塗装についてお伝えしましたがいかがでしたでしょうか?(^^♪
モルタル外壁は、ひび割れがしやすいため、適切な下地処理と、ひび割れがしにくい塗料を選んでくれる塗装の専門店に依頼することをお勧めします。
ぜひ本記事の内容を参考にしてもらえたら嬉しいです☺
本日のブログは以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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