- 塗装コラム
- 2024年1月20日
シリコン塗料を外壁塗装時に選ぶ前に知っておきたいこと【特徴や耐用年数、価格を解説】
いつもウォールハーツのブログを読んでいただきありがとうございます。
今回は外壁塗装の際に選ばれる塗料の中で最も人気なシリコン塗料について、メリットやデメリット、価格、選ぶ時の注意点などをわかりやすくまとめておりますので、シリコン塗料をご検討の方はぜひご一読ください☺️
オススメの塗料や施工事例もご紹介しております♪
シリコン塗料を外壁塗装時に選ぶ前に知っておきたいこと【特徴や耐用年数、価格を解説】
目次
シリコン塗料とは
シリコン塗料は、外壁塗料の中でもっとも人気が高く、市場において80%のシェアを占めるスタンダードな塗料で、商品の種類も一番多いです。
塗装業者に見積もりを依頼すると、複数の種類の塗料を提案されることがありますが、その中には必ずシリコン塗料が含まれます。
シリコン塗料が人気な理由
シリコン塗料が人気な理由は様々ですが、一番の理由はコストパフォーマンスの高さです。
ほとんどのシリコン塗料は、一定以上の耐久性がありながらも、価格は安めです。
なぜ価格の割に耐久性が高いのか
シリコン塗料が長持ちする理由は何か考えるときに、まずは塗料の構成を見る必要があります。
通常、塗料は顔料、樹脂、添加剤、水or溶剤の4つの構成でできています。
この中で主成分となるのが樹脂であり、シリコン塗料にはシリコン樹脂が使用されます。
同様に、アクリル樹脂が使用される場合はアクリル塗料、フッ素樹脂が使用される場合はフッ素塗料になります。
実際、樹脂によって塗料の耐久性は大きく異なります。
シリコン樹脂は汚れの付着や色落ちがしにくく、最も重要な劣化要因である紫外線に強いため、シリコン塗料は耐久性が高いとされています。
シリコンの耐用年数
シリコンの耐用年数は外壁の場合で10年~12年、屋根の場合で8年~10年です。
一般的に、屋根は外壁と比べて紫外線や雨風の影響を受けやすいので、外壁よりも耐用年数が短くなります。
下記の通り、他の塗料と比較すると、シリコンの耐用年数はアクリルやウレタンよりも長く、フッ素や無機よりは短いです。
また、この耐久性はあくまでも、塗料を塗る前に、きちんとした下地処理(古い塗膜の除去やひび割れ補修等)を行ったうえで期待できる年数です。
シリコン塗料の種類
シリコン塗料には、大きく分けて水性と油性の2種類があり、それぞれ1液型か2液型に分かれます。
塗料を水で溶かしたものを水性塗料、シンナー等で溶かしたものを油性塗料といいます。
水性ペンよりも油性ペンの方が消えにくいのと同じように、水性塗料よりも油性塗料の方が下地との密着度が高まり、塗膜が剝がれにくく、より長持ちします。
しかし、近年では油性塗料のニオイの強さや環境問題を考慮した上で、油性と同等の耐久性を持つ水性塗料なんかも登場してきています。
また、水性または油性塗料に硬化剤を混ぜたものを2液型、混ぜていないものを1液型と呼びます。
2液型は硬化剤が混ざっているため、より密着度が高く、耐久性が向上します。
シリコン塗料のメリット
価格の割に耐久性が高い
第一章でお伝えした通り、コストパフォーマンスが高いのがシリコン塗料の最大のメリットです。
耐久性は、「熱への強さを表す耐熱性」、「塗膜が硬く撥水力のある耐水性」、「酸性雨や紫外線に強い耐候性」の3つの要素が含まれているのですが、どれをとっても、5段階中3以上の性能を持っているため、非常に優れた性能を発揮します。
光沢があり汚れにくい
シリコン塗料の多くは光沢・ツヤのある仕上がりになるため、新築のような輝きが長期間続きます。
また、多くのシリコン塗料にはセラミックが配合されており、外壁や屋根に使用した際には、汚れにくく美観を長く保ち続けます。
商品数が多く、好みのものが見つかりやすい
シリコン塗料は、塗料の中でも耐久性に優れ、様々な用途に使用できるため、市場での需要が高まっています。
そのため、様々なニーズに対応するために、水性、油性、1液型、2液型などの種類があります。
さらに、耐候性や光沢などの特性も異なり、用途や好みに合わせて選ぶことができます。
このように、シリコン塗料は多様なニーズに応えるために、種類が多いというメリットがあります。
シリコン塗料のデメリット
選び方に注意が必要なので、そこは6章でお伝えしますね🎵
品質の差が大きい
シリコン塗料は商品の種類が最も多いので、品質の差が大きい塗料でもあります。
そこで、良質なシリコン塗料を判断する際には、主成分であるシリコンの含有量が重要な指標となります。
シリコン含有量が多いほど、塗膜の弾力性や耐久性が高くなります。
一方で、シリコン含有量が少ない場合は、塗膜の伸縮性や耐久性が低下するため、塗膜の割れや剥がれなどが発生しやすくなります。
つまり、シリコン含有量が多いほど、質の高いシリコン塗料となり、シリコン含有量が少ないほど、質の悪いシリコン塗料となります。
同じシリコン塗料でもその差が大きく開いたものがありますので、選ぶときには注意が必要です。
シリコン塗料を選ぶ際の注意点については第6章で詳しくお伝えします。
アクリルやウレタンより費用が高い
塗料にかかる費用の違いにより、アクリルやウレタンよりは高くなります。
シリコン塗料は耐用年数が10年~12年の為、塗装後、10年以内に退去や解体、売却を考えている方にとっては、コストパフォーマンスの面からオススメできない場合があります。
フッ素や無機より耐久性が低い
最高級クラスの耐久性を持つフッ素や無機塗料に比べると、シリコン塗料の耐久性は劣ります。
また、以下の図の通り、フッ素とシリコンの塗装周期で比較すると、1回きりの塗装の場合はシリコンの方が40万円ほど安いですが、20年間の期間で考えるとフッ素の方が60万ほど安くなります。
そのため、耐久性とコストの面では、今後何回の塗装をするかによって、本当にシリコン塗料が適切なのかを検討する必要があります。
ちなみに、シリコンよりも耐久性が高いフッ素や無機塗料について気になる方は以下ブログを読んでみてください。
フッ素塗料を選ぶ前に知っておきたいこと【どんな人にオススメ?価格や注意点を解説】
無機塗料を選ぶ前に知っておきたいこと【どんな人にオススメ?価格や注意点を解説】
シリコン塗料の価格と相場
価格の差は品質の差にもよりますが、それ以外に、施工を自社で行うのか、下請けにお願いするのかでも変わります。
ハウスメーカーや工務店の場合、実際の施工は下請け業者に依頼するため、中間マージンが発生し、同じ商品の塗料でも金額が高くなることがあるので注意が必要です。
シリコン塗料はこんな人にオススメ
これまではシリコン塗料の特徴や価格についてお伝えしましたが、この章ではどんな人にオススメなのかについてお伝えします。
シリコン塗料がオススメな人
<こんな人にオススメ> ・価格と品質のバランスを重視する人 ・塗装後も10年以上住む予定の人 ・光沢感のある外観に仕上げたい人 ・数ある塗料の中から好みのものを選びたい人 |
シリコン塗料は、塗装にあまりお金をかけたくないけど10年以上は長持ちしてほしいとお考えの人にオススメです。
また、艶(つや)ありの塗料が多い為、新築のような輝きをできるだけ維持したい方や、カラーやデザインにこだわりが強い方にもオススメできます。
シリコン塗料が不向きな人
<こんな人には向いていない> ・塗り替え周期を長くして、長い目で費用を抑えたい人 ・10年以内に退去や解体、売却を考えている人 ・塗装をDIYで行いたい人 |
シリコン塗料はおすすめできない場合として、まず塗り替え回数を減らしたい人が挙げられます。
第2章でお伝えした通り、シリコン塗料はフッ素や無機塗料と比べると耐用年数が短い為、20年スパンで見ると、シリコンは約2回の塗装メンテナンスが必要であり、1回の塗装で済むフッ素や無機よりもかえって高くついてしまいます。
また、シリコン塗料の耐久性が10年~12年なので、それ以内に退去や解体などをお考えの方にとってはシリコンを使ったらもったいないでしょう。
さらに、シリコン塗料は、塗布箇所への密着力が低く、素人が完璧に塗布することは難しいです。
そのため、DIYで塗装するのには適しておらず、使用する場合は専門家に依頼するのが一番です。
シリコン塗料を使うべき箇所
オススメは外壁
シリコン塗料を使う箇所として一番オススメなのは外壁です。
なぜなら、外壁は一軒家の中で最も広い面積を占めるため、シリコン塗料が持つ最大のメリットであるコストパフォーマンスを最大限に引き出しやすいからです。
また、第2章でお伝えした通り、シリコン塗料の特徴を活かし、紫外線に強く、汚れがつきにくい外壁に仕上がります。
付帯部にもシリコン塗料を
シリコン塗料は付帯部に塗装するときに使うのもオススメです。
付帯部とは、雨樋(あまどい)や軒天(のきてん)、破風板(はふいた)など、外壁や屋根を雨風や強風から守るために設置されたものを指します。
一般的には、外壁や屋根と一緒に付帯部も塗装されますが、外壁や屋根にシリコン塗料を選んだ場合は、付帯部にもシリコンを選ぶと良いです。
というのは、付帯部にランクを落としたアクリルやウレタンを使うと、付帯部が先に劣化を起こし、それが原因で外壁や屋根も劣化を起こし、建物全体の耐久性が低下することがあるからです。
したがって、付帯部にもシリコン塗料を選ぶことで、建物全体の耐久性を高めることができます。
屋根には高耐久性シリコンを
屋根塗装にシリコン塗料を使用する場合、外壁に使用するシリコン塗料よりも高耐久性のシリコン塗料を使用することをオススメします。
耐用年数で言うと、通常の10年~12年よりも長い15年程期待できるものが望ましいです。
なぜなら、屋根は外壁と比べて、紫外線や風雨、雪などの外的要因による影響を受けやすい場所であり、より高い耐久性が求められるからです。
高耐久性のシリコン塗料を使うことで、紫外線による屋根材の色あせやひび割れなどを防ぐことができます。
また、屋根は外壁と比べて傾斜があるため、雨水や雪がより速く流れ落ちます。このため、塗膜にかかる負荷が外壁よりも大きくなることがあります。
そこで、高耐久性のシリコン塗料を使用することで、このような負荷に対しても塗膜が強く、長期間にわたって劣化が起こりにくくなります。
この2つの理由から、屋根塗装には高耐久性のシリコン塗料を使用することをオススメします。
シリコン塗料はここに注意
シリコン塗料はコストパフォーマンスに優れる人気塗料ですが、高耐久性シリコンと言っておきながら、実際には品質の低いもので塗装する業者がいたりするので、注意が必要です。
そこで、この章ではシリコン塗料を選ぶ時に失敗しない為のポイントをいくつかお伝えします。
耐久性の低いシリコンには注意
シリコン塗料は、他の塗料と比べても商品数が多く、中には質の悪いシリコンもあります。
そこで、耐久性の低いシリコン塗料で契約しない為にも、「シリコン含有量」もしくは「期待耐用年数」に着目する必要があります。
シリコン含有量に関しては、一般的には45%~65%であれば、耐用年数は長く、塗膜も剥がれにくいものとなります。
それを下回る含有量のシリコンは質が悪く長持ちしない可能性があるので注意が必要です。
また、期待耐用年数とは、メーカーが設定している塗料が持つ正式な耐用年数のことを指します。
この期待耐用年数が、外壁なら10~12年、屋根なら8年~10年であれば、質の高いシリコン塗料であると考えられます。
しかし、この期待耐用年数は、エスケー化研しか公式HPやカタログに記載していない為、日本ペイントやほかの大手会社のシリコン塗料をご検討の方は、直接メーカー窓口に確認してみると良いでしょう。
メーカー名や商品名の記載がない見積書には注意
塗装業者から「シリコン塗料」という記載しかない見積もりをもらった場合は注意が必要です。
なぜなら、商品名を載せないということは、調べられたくないという気持ちの表れであり、この場合はシリコン塗料の中でも耐久性が低く質の悪いものが使われている可能性があるからです。
そのため、実際に使われる塗料のメーカー名と商品名が記載されているかどうかはとても大切であり、ネットで調べても安全なシリコン塗料を選ぶことが失敗しないためのコツです。
余談ではありますが、見積書には塗料だけでなく、作業項目の細かい内容や塗布面積の記載も確認する必要があります。
参考として、当店の見積書を掲載しておきます。
安心できるシリコン塗料4選と施工例
【臭いが気になる方へ】日本ペイント「オーデフレッシュSi100Ⅲ」
・外壁用1液型水性塗料 ・モルタル、コンクリート、窯業系サイディング、ALCパネルに塗装可 ・艶あり、7・5・3分艶、艶なし |
下塗りから上塗りまで水性塗料で施工可能なため、臭いが少なく環境にも優しい塗料です。
ニオイが気になる方や、ニオイに敏感なペットを飼っている方向けです。
オーデフレッシュSi100Ⅲの施工事例
【デザインを楽しみたい方へ】日本ペイント「水性ペリアートUV」
・外壁用1液型水性塗料 ・モルタル、コンクリート、窯業系サイディング、ALCパネルに塗装可 ・3分艶 |
水性ペリアートUVはシリコンの中でも最高クラスの耐久性を持ち、かつ多彩色模様の塗装ができることから、よりデザイン性にこだわる方向けの塗料です。
水性ペリアートUVの施工事例
【最もポピュラー】エスケー化研「プレミアムシリコン」
・外壁用1液型水性塗料 ・モルタル、コンクリート、窯業系サイディング、ALCパネル、スレート板に塗装可 ・艶あり、5分・3分艶、艶なし |
エスケー化研のプレミアムシリコンは、最も主流なシリコン塗料で、多くの塗装業者の見積書の中に含まれる塗料です。
ラジカル制御という、紫外線によって塗膜が分解されづらい性能があることから、シリコンの中でも比較的長持ちしやすい塗料であることが特徴です。
【屋根には遮熱塗料を】日本ペイント「サーモアイSi」
・屋根用2液型油性塗料 ・スレート屋根、金属屋根・トタンに塗装可 ・艶あり のみ |
紫外線を多く浴びる屋根部分には、遮熱性が含まれた塗料が望ましいです。
サーモアイSiは紫外線の熱を逃がし、室内温度を緩和させ、光熱費を抑えてくれる省エネ塗料です。
また、雨で汚れを洗い流してくれる親水性も備わっています。
シリコン塗料に関するよくある質問
この章では、シリコン塗料についてよくある質問をまとめました。
シリコン塗料をご検討の方はぜひご確認ください。
シリコン塗料はひび割れしやすいの?
シリコン塗料の中の商品によります。
シリコン塗料に限ったことではないですが、塗料というのは耐久性が高くなればなるほど、硬く頑丈になるため、ヒビは入りやすくなります。
シリコンの場合は、耐久性の高いものであれば塗装後10年後くらいに塗膜が硬くなり、ひび割れが起きやすくなってきます。
この対策としては、できるだけひび割れが起きないようにするために、上塗りだけでなく下塗りや中塗りにも弾性塗料を使うことである程度は回避できます
弾性塗料とは、伸縮性がありひび割れに追従できる性能を持った塗料のことです。
また、下地処理も塗料のひび割れを防ぐために必要不可欠な作業です。
下地が既にひびが入っている場合にはしっかりとシーリング材を埋め込んだり、古い塗膜の浮きや剥がれがある場合は、ケレン掛けで塗膜をしっかり除去する必要があります。
当店のように塗装を専門とした会社であれば、この辺の知識はあるため、耐久性の高いシリコンでもひび割れしにくい塗装が可能となります。
シリコン塗料は重ね塗りが不向きなのは本当ですか?
こちらもシリコンの中の商品によりますが、確かに重ね塗りが不向きなシリコン塗料もあります。
原因は、撥水性が強いシリコンの場合は、表面が硬く、ツルツルしているため、次回の塗装時に塗料が密着しづらいところにあります。
しかし、対策として、下塗り時にシーラーやフィラーといった塗料の密着力を高めてくれたり、ひび割れ箇所を埋めてくれるものを使うことで、この問題はしっかり解決できます。
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シリコン塗料はDIYで塗装できるの?
シリコン塗料は低粘着塗料になりますので、初心者の方や専門家でない方が塗装すると、すぐに剝がれたりなどの不具合が起きやすいです。
そもそもシリコン塗料は種類がかなり多いので、ご自宅の立地環境や気温なのど外的要因等の要素を考慮した上で最適な塗料を選び抜くことは、専門家以外の方にとっては難しいです。
塗料の選定や塗装方法も含めて専門家に任せるのが一番です。
さて、本日はシリコン塗料についてお伝えしましたがいかがでしたでしょうか?
シリコンは価格帯も安く、長持ちする塗料ですが、品質の悪いシリコン塗料で契約しないように、まずは見積書に書いてる商品名をネットで調べることから始め、業者選びの際には、下地処理をしっかり行い、お客様のご自宅が長持ちすることを最優先に考える業者を選びましょう。
本日のブログは以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
当店について
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