- 塗装コラム
- 2024年2月1日
外壁塗装の手抜き工事例13選~原因と対策~
外壁塗装でトラブルが起きない為には、お客様側もある程度の知識を習得することがとても大切ですよ🎵
いつもウォールハーツのブログを読んでいただきありがとうございます。
外壁塗装における手抜き工事について、皆さんは考えたことがありますか?
手抜き工事をされると、せっかく高いお金を払って施工してもらったのに、わずか数年で塗料が剥がれたりすることがあります。挙げ句の果てにはその会社と連絡が取れず逃げられてしまうことも、、、。
そこで、今回はそんな手抜き工事を防ぐために、一般的な手抜き工事の例とその対策方法を詳しくまとめました。
大切な家を守るためにも、手抜き工事のリスクに対する理解を深め、安心して外壁塗装に取り組んでいただけたら幸いです☺
【必読】外壁塗装の手抜き工事例13選~原因と対策~
目次
外壁塗装の13の手抜き工事例
足場組立を簡素化される
外壁塗装や屋根塗装は高い場所で行われることが多いです。そのため、事前に足場組立を行い、作業の安全性と正確性を確保することが必要です。
しかし、中には足場組立の費用を抑えようとして「単管足場」を行う手抜き業者が存在します。
単管足場とは、単なる鉄パイプをつなぎ合わせただけの足場です。
当然、使われる鉄パイプの材料は安く済むため、業者は利益を膨らますことができます。
しかし、このような不安定な足場で作業を行うと、塗装作業に支障が出て、作業の品質が下がったり、職人の命にも関わってきます。
実は、労働安全衛生法では単管足場の使用は禁止されています。
外壁塗装や屋根塗装に適した足場は、板が取り付けられており、しっかりと歩くことができる「クサビ式足場」です。
このように、塗装においては適切な足場組立の上で、職人の安全性と、塗装に集中できる環境を作ることが大切です。
高圧洗浄を行わない
屋根や外壁塗装をする前に、下地処理として「高圧洗浄」と呼ばれる作業があります。
高圧洗浄とは、水圧が110kgから150kgの高い圧力を持つ洗浄機を使って、外壁についた汚れや古い塗膜を取り除く作業です。これによって、下地と新しい塗料の密着性が向上し、塗料が長持ちします。
しかし、高圧洗浄は通常約1日ほどの時間を要しますが、これを半日以下で行うか、あるいは行わない業者も存在します。
この場合、汚れの除去が不十分なことから、下地と新しい塗料の間に隙間ができてしまい、高耐久性の塗料を使っても、本来15年以上持つはずのものがわずか数年で剥がれてしまうことがあります。
高圧洗浄の手間を省く原因は、職人の人件費の削減が挙げられます。
養生が不十分である
養生とは、塗料の飛散を防止するために、ビニールやテープを使って塗装しない箇所を保護する作業です。主に、窓やドア、周辺の建材などを保護します。
しかし、細かく手間のかかる作業でもあるため、業者よっては、人件費や材料費の削減のため、養生作業を省略することがあります。
養生の手抜きにより、塗料が周囲に飛散してしまう恐れがあります。これにより、窓やドア、建材などに塗料が付着してしまったり、塗装の線が乱れてしまったりして、仕上がりに悪影響を与える可能性があります。
ひび割れ補修をしない
外壁にひび割れが起きている場合、塗装を行う前に、コーキング材でひびを埋める必要があります。
これにより、外壁の耐久性や防水性の低下を防ぐことができます。
しかし、一部の業者は手間やコストの削減で、ひび割れを補修せずにそのまま上から塗装を行う場合があります。塗装後の見た目では、ひび割れ補修がされたかどうかの判断がつきません。
塗装直後の外壁は綺麗に見えるかもしれませんが、数年後には塗膜にひび割れが入り、外壁の保護能力が低下し、劣化が進む恐れがあります。
コーキングの打ち替えを行わない
一般的なサイディング外壁には、上の写真のように外壁同士のつなぎ目にゴム状の防水材であるコーキングが使われています。このコーキングは、外壁同士の隙間を埋めて防水性を高めたり、地震などの揺れを和らげて外壁のひび割れを防ぐ役割を果たしています。
通常、コーキングは経年劣化によりひび割れや剥がれを起こすため、外壁塗装を行うタイミングで打ち替え工事(コーキングの交換作業)が行われます。
コーキングの打ち替えとは、既存の劣化したコーキング材をカッターなどで撤去し、新しいコーキング材で打ち直す作業ことを言います。
しかし、この作業においても手抜き工事が起こりやすいです。
具体的には、コーキングの打ち替えをせず、劣化したコーキングの上から充填することによりコーキングの材料費を節約し、上から塗装を行って誤魔化すといったものです。
この作業は打ち増しと呼ばれます。
打ち増し自体は悪い手法ではないのですが、基本的には既存のコーキングの耐久性がある程度認められた場合や、その上に打つコーキング材の厚みが10mm以上確保できる場合のみ行われる手法です。
上の図のように、新しいコーキング材の厚みが10mm未満しか確保できないのにも関わらず、打ち増し工事を行うと、コーキングの十分な耐久性が確保できず、すぐに劣化してしまいます。
せっかく100万を超える外壁塗装を行ったとしても、数年で再塗装が必要になってしまいます。
塗る回数を省略される
外壁の耐久性を高めるためには、塗料を3回塗り重ねることが非常に重要です。
具体的には、最初に下地と塗料の密着性を高めるために下塗りを行います。次に、中塗りで塗膜に厚みを作り、耐久性をさらに高めます。そして最後に仕上げを美しくするために上塗りが行われます。
しかし、これも手間や材料費の削減を目的とし、この塗装の工程を省略する業者が存在します。
例えば下塗りを行わず、上塗りの1回のみで塗装を終わらせることがあります。
もし3回の塗りを行わなかった場合、期待した耐用年数よりも早く塗料がはがれたり、色あせやひび割れが起こる可能性があります。
通常、塗装工事は塗料の乾燥時間を含めて3~5日かかりますが、手抜きが行われた場合は約1日で終わるため、施工スケジュールが短い場合は、手抜きが行われている可能性が高いです。
十分な乾燥時間を設けない
塗装は塗る回数だけでなく、塗料の乾燥に十分な時間を設けることも同じく大切です。
もし前の工程で塗った塗料がまだ乾いていない状態で塗り重ねを行うと、塗膜が不完全な状態で硬化してしまいます。その結果、塗膜の強度や耐久性が低下し、剥がれの原因となることがあります。
また、塗装には天候条件も重要です。気温が5℃以上で、湿度が85%未満の環境が望ましいです。
しかし、工期を短縮したり、作業を早く終わらせる目的で乾燥時間や天候を無視する手抜き工事が行われることがあります。適切な工程と環境を守り、塗装を3日~5日かけて丁寧に行うことが重要です。
専用の下塗り材を使わない
塗料は、大まかに2つの用途で分けられます。それは、下塗り塗料と中塗り&上塗り塗料です。
中塗りや上塗り塗料を選ぶ際、メーカーは密着するのに相性が良い下塗り塗料を指定する場合があります。塗料パンフレットには専用の下塗り材が記載されているのですが、この指示を無視して使う業者も存在します。
このような場合、下塗り材と中塗りや上塗り材との相性が悪く、密着性が低下し、塗料が剥がれる原因となります。
塗料を必要以上に薄めて使う
塗料には、性能や耐久性を最適化するために希釈率(きしゃくりつ)が各メーカーによって定められています。
希釈率とは、塗料を水やシンナーなどで薄める割合のことを指します。
しかし、この希釈率を守らず、必要以上に塗料を薄めた手抜き工事もあります。
塗料を過剰に薄めた場合に起きる不具合は、耐久性の低下、色の変化、ムラや斑点の発生です。これらの問題は、塗料の原価を抑えることを目的とした悪質な手抜き工事の一環です。
希釈率を守ることは、塗装工事の品質と耐久性を確保するために非常に重要です。施工業者には、適切な希釈率を守り、塗料の性能を最大限に引き出すことが求められます。
見積書とは別の塗料を使う
これはかなり悪質な手抜き工事の例ですが、見積書に書いてある塗料とは別の塗料を現場で使う業者も存在します。
通常、この場合には見積書に記載された塗料よりも安価な塗料が使用されることがほとんどです。
施工主は常に現場で使用されている塗料を監視できるわけではないため、業者はこの隙をついて実際に使用する塗料を変える手口で行うのです。
屋根の釘を打っていない
屋根の頂上には、金属製の板である棟板金(むねばんきん)が釘で固定されています。これは、屋根材のつなぎ目から雨水が入り込むのを防ぐためのものです。
しかし、固定された釘は太陽光によって熱膨張し、経年劣化により緩んでしまいます。緩んだ釘は屋根塗装の際に再度打ち直し、棟板金をしっかりと固定する必要がありますが、この工程を省略する手抜き工事も存在します。
手抜き工事は、普段目に見えにくい箇所で行われることがあります。そのため、依頼する前にこうした事項をチェックすることが非常に重要です。大切な屋根工事を安心して委託するためには、業者の信頼性や施工内容を事前に確認することが必要です。
縁切りを行わない
屋根塗装時に起きやすい手抜き工事は、縁切り(えんぎり)を行わないことです。
縁切りとは、塗料でくっついてしまった屋根の瓦と瓦の間をカッターなどで切り取り、雨水の逃げ道を作るための作業です。
緻密な作業ではありますが、これを行わなかった場合、下記の通り雨水が屋根材と下地の間に滞留し、やがて雨漏りの原因に繋がります。
縁切りは、カッターを用いるか、下記のようにタスペーサーという専用の工具を使って屋根材が塗料でくっつくのを分離させることができます。
屋根は雨水を一番受ける箇所であるため、雨漏りが起こると把握しているのにもかかわらず縁切りを行わないのは、悪質な手抜き工事と言えます。
雨の日に塗装を行う
雨の日に塗装を行う業者には注意が必要です。なぜなら、雨天時に塗装すると、塗料が雨によって流れてしまい、十分な厚さの塗膜を形成できなくなるからです。
塗膜が必要以上に薄くなると、数年後に剥がれる可能性が高くなり、建物全体の防水性に大きな問題が生じます。
職人の人員不足により、無理やり施工納期を早めてしまうような業者に起こりやすいです。
このように、外壁塗装や屋根塗装では、いたるところで手抜き工事が起きやすいことが問題となっています。
もちろん、すべての業者が手抜きを行っているわけではありません。
しかし、工事を依頼する際には、ある程度の知識を持つことが重要です。
そこで、次の章では、手抜き工事を回避するための方法を詳しく解説していきます。
手抜き工事を防ぐためには
前章では、よくある手抜き工事例をご紹介しましたが、これはどうすれば防げるのでしょうか。
実は、外壁や屋根塗装の手抜き工事に巻き込まれないためには、具体的な方法があります。
いずれも契約前に行うことができる対策なため、以下のポイントに注意した上で業者を選ぶようにしましょう。
現地調査の時間を十分に確保してもらう
実は、現地調査にかかる時間を計ることで、その業者が手抜きをするかどうかを見抜くことができます。
現地調査とは、各業者が見積もりを作る前に、建物の現状や劣化状態を診断してもらうことを指します。
信頼できる業者は、建物の様々な部分を点検し、ひび割れやコーキングの状態を診断したり、屋根に登って瓦の劣化具合を確認したりします。また、正確な金額を算出するために、メジャーなどを使用して実際の塗布面積を測定します。
このような作業には少なくとも1時間程かかることが多いです。
しかし、この現地調査を目視のみで数十分程度で済ませる業者は、建物の問題を十分に把握せずに施工を行う傾向があります。ひび割れの補修が必要な箇所を見落としてしまい、ただ単に塗装を行う可能性もあります。
業者の現地調査の作業様子を観察することで、その業者が丁寧な施工を行ってくれるか、それとも作業を省略してしまうのかを判断することができます。
調査報告書を書面等で提出してもらう
前述した現地調査後、口頭だけでなく診断結果の報告書を写真付きで書面でもらいましょう。
ちなみに当店では以下のような形で、それぞれの箇所の問題点と対処法をまとめて無料でお渡ししています。
現地調査結果を書面ではなく口頭で伝える業者は、塗装後にトラブルを起こしやすい傾向がありますので注意が必要です。
施工の様子を写真で報告してもらう
第1章で、手抜き工事は目に見えない場所で起こりやすいことを説明しました。その対策として、工事の進捗や施工の様子を写真などで日々報告してもらえるかを契約前に確認することが非常に重要です。
写真での報告を受けることによって、例えばコーキングの交換が行われたか、塗装が3回行われたかなどを確認することができます。これにより手抜き工事の発生を未然に防ぐことができます。
さらに、使用された塗料缶の写真も提供してもらうと、塗料の差し替えを防げるため、より安心できます。ちなみに当店では下記のように毎日ラインでお客様へ報告しています。
見積書はできるだけ詳細に
業者が出す見積書には様々な見せ方がありますが、項目数が少なく、一式表記されている見積書には注意が必要です。
なぜなら、100万円を超えるような金額の内訳としてどの作業にどれだけ使われるのかが不明瞭だからです。
どの塗料を使い、どれだけの面積を塗り、何回塗り重ねるのか、こういった部分を見積書に明記しない業者は、手抜き工事がかなり高い確率で行われてしまいます。
見積書は細かいほどより信頼できます。下記は当店の見積書ですが、どのメーカーのどの塗料をどの面積塗るのかなどをできるだけ細かく記載するようにしています。
保証の有無を確認
契約する前にその塗装業者が保証制度を提供しているかどうか、そしてその保証期間が何年間かを確認することは大切です。
塗装の保証とは、施工後に塗膜の剥がれや膨れなどの問題が発生した場合に、無料で修理してもらえるという約束です。
一般的に、業者ごとに塗料の品質に応じて保証期間が3年、5年、7年、10年、12年などの範囲で設定されています。
保証制度のない業者の場合、施工後のアフターフォローを行わないことや、業者の欠陥にも有償で修理を要求される可能性があるため、事前に確認することが必要です。
施工の工程表を事前にもらう
手抜き工事を防ぐためには、事前に施工の工程表をもらい、それぞれの進行具合を確認することも大切です。
一般的には、工事挨拶~施工完成まで15日間程度です。このスケジュールが過度に短すぎる場合は、各作業が省略されている場合があります。
よって、下記のように具体的なスケジュールがわかるように書面等で受け取りましょう。
外壁塗装の手抜き工事が起きる原因
手抜き工事が起きる原因はその環境にあります。どういう時に手抜きが起きやすいのかを説明していきますね。
手抜き工事が起きる原因 ●塗装をすることでごまかすことができる ●契約金額の過剰な値下げ ●元請け業者が下請け業者の金額を叩く |
塗装をすることでごまかすことができる
第1章でお伝えした手抜き工事のほとんどは、塗装前の下地処理の段階で行われています。
なぜかというと、高圧洗浄やひび割れ補修、屋根の縁切りなどは上から塗装をすることで、行ったかどうかの判別がつかなくなるからです。
手抜き工事は、目につかないところで起きやすいのです。
契約金額の過剰な値下げ
塗装業者の契約金額を過剰に下げることは、手抜き工事を引き起こす原因となる可能性があります。
塗装には相場や適正な金額が存在します。それは、ある意味では適正で長持ちする塗装をする上では必要な金額であるとも言えます。
そこで、極端な値下げを要求するとどうなるでしょうか。
例えば、相場が120万円の工事を60万円や70万円で依頼するような過剰な値下げを行い、契約した場合、その業者は、最低限の利益を確保するために、作業を省略して人件費を抑えたり、塗料を安いものにすり替えたりなどの思考が働きます。
これらが手抜き工事を引き起こす原因となってしまうのです。
値切りの割合は二割程度におさえておくことが大切です。
元請け業者が下請け業者の金額を叩く
これは、実際の施工を自社ではなく下請け業者に委託している業者に起きやすいです。一部のハウスメーカーや工務店などの元請け業者は、実際の施工を下請け業者に丸投げしていることが多く、その間に中間マージンが発生します。
元請け業者は自社の利益を最大化するために、できるだけ安い金額で下請け業者に仕事を依頼しようとする傾向があります。その結果、下請け業者は人件費や材料費を削減しようとして手抜き工事が行われることになるのです。
実際に手抜き工事が起きてしまったら?
業者にやり直しを依頼する
まず第一に行うべきことは、保証書を確認し、保証期間内であればやり直しを依頼しましょう。
この時、実際に問題が起きた箇所の写真を残しておくことが大切です。
たいていの業者であれば、保証書内に記載された事項に該当する場合は無償でやり直しを行ってもらえます。
第三者機関に報告する
もし、業者に伝えたのに相応しい対応をしてもらえなかった場合は、以下のような第三者機関に連絡するのも手段の一つです。
問題が起きた時期や内容を整理した上で、報告しましょう。
●住まいるダイヤル
住まいるダイヤル(正式には「公益財団法人 住宅リフォーム・紛争支援処理センター」)とは、リフォームや塗装に関するトラブルの相談に乗ってくれる窓口として有名です。
お問い合わせ先 |
住まいるダイヤル Tel:0570-016-100(平日10:00~17:00) |
●国民消費生活センター
国民消費生活センターは、各都道府県に支部があり、お住まいの地域に連絡することができます。
もちろん、塗装に関しても相談の対象となりますので、塗装を担当した営業マン、会社名、電話番号、会社住所を用意した上で連絡しましょう。
お問い合わせ先 |
独立行政法人 国民生活センター |
さて、本日は屋根や外壁塗装における手抜き工事の具体例と対策についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?
最終的には、業者を信頼するかどうかはご自身の判断に委ねられます。
しかし、こうした知識を持っていることで、手抜き工事から大切な家を守ることができます。そのため、これらの情報を心に留めながら、信頼できる業者を選ぶようにしましょう☺
本日のブログは以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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