- 塗装コラム
- 2023年3月1日
ガルバリウム鋼板はオススメ?【メリット・デメリットを徹底解説】
建物の寿命を延ばすためには、耐久性に優れた部材を使用することが重要です。
その中でも金属製の建材として注目されているのが「ガルバリウム鋼板(こうはん)」です。
ガルバリウム鋼板は、アルミニウムや亜鉛、シリコンを使ってメッキ加工された建材で、錆や腐食を防止し、耐久性が高いことから近年需要が高まってきています。
今回は、そんなガルバリウム鋼板のメリット・デメリットや価格相場、メンテナンス方法についてわかりやすくまとめましたのでぜひご一読ください。
ガルバリウム鋼板はオススメ?【メリット・デメリットを徹底解説】
目次
ガルバリウム鋼板とは?
金属製なのに錆びにくい建築材として人気
ガルバリウム鋼板とは、板状に加工された鋼の表面を、アルミニウム・亜鉛・シリコンなどでコーディング(メッキ加工)された建築材です。
一般的に、金属製の建材は錆やすいという弱点があるのですが、ガルバリウム鋼板はメッキ加工により錆びにくいことから人気があり、金属サイディングや金属屋根に使われることが多くなっています。
ガルバリウム鋼板の耐用年数は?
建物の周辺環境にもよりますが、定期的なメンテナンスを行えば、ガルバリウム鋼板の耐用年数は20年~30年程度と非常に耐久性が高いです。
私は職人時代に金属製の外壁や屋根が錆びているものをたくさん見てきましたが、確かにガルバリウム鋼板を使った建物は錆ているものが少なかった印象があります。
ガルバリウム鋼板のメリットとデメリット
ガルバリウム鋼板のメリット
①金属性建材の中では錆びにくい
一般的な金属性の建材、例えばアルミやトタンと比べると、ガルバリウム鋼板の圧倒的に錆びにくいです。
金属製建材の独特な雰囲気やデザイン性に惹かれ、外壁に取り入れたいという声も多いですが、錆が付きやすいという弱点から断念する場合があります。
しかし、ガルバリウム鋼板なら金属製であるのにもかかわらず錆に強いので、長く美観を維持することが期待できます。
②耐用年数が長い
一般的な金属性の建材の耐用年数が10~15年とされている中で、ガルバリウム鋼板は20年~30年と約1.5倍の耐用年数があります。
③軽くて耐震性が高い
建物というのは重量が軽いほうが、耐震性は高いです。
なぜなら、建物が重いと地震の際に揺れ幅が大きくなってしまい、建物へのダメージが大きくなるからです。
ガルバリウム鋼板は軽量なため、地震が起こっても揺れ幅が小さくなり、地震の揺れによる影響を受けにくいという特徴があります。
ガルバリウム鋼板のデメリット
①全く錆びないわけではない
あくまでもガルバリウム鋼板は金属製の中では錆びにくいという話で、そもそも錆が全く発生しない他の素材と比べると、錆が発生する可能性がある時点でデメリットと受け取ることはできるでしょう。
もちろん、錆びにくいという強みはあるため、過度に心配する必要はありませんが、自宅の周辺に沿岸部や工業地帯があり、塩害を受けやすい環境にある場合は、錆の可能性を留意しておきましょう。
②凹みや傷がつきやすい
ガルバリウム鋼板は、薄く表面が平らになっている面積が多いため、衝撃に弱いという弱点があります。
例えば、よく子供たちが庭でボール遊びをする場合にボールが当たって凹んだりする場合があるので、絶対に傷つけたくないという気持ちが強い方は注意が必要です。
③デザインのバリエーションが少ない
ガルバリウム鋼板は金属製独特の雰囲気やお洒落なデザイン性がありますが、基本的には凹凸したデザインは一緒で、カラーが選べるといったぐらいで、デザイン幅は狭いです。
外壁に多彩色模様を取り入れたり、瓦屋根にしたりなど、幅広いデザインを求める方にとっては少し物足りなく感じるかもしれません。
遮音性や遮熱性の低さは改善されている
ガルバリウム鋼板は、雨音が響きやすいとか、熱を通しやすいから部屋が暑くなりやすいといった記事を見かけることがあります。
しかし、最近は断熱材を含んだガルバリウム鋼板というものがあり、それであれば遮熱性や断熱性が大幅に改善され、さほど心配する必要はないです。
よって、ガルバリウム鋼板を考えている方は、業者に断熱材が入っているかどうかを聞いた方が良いでしょう。
価格相場はどれくらい?
<ガルバリウム鋼板の価格相場> 【屋根材】 2,500円~4,000円 【外壁材】 3,000円~5,000円 |
ガルバリウム鋼板の建材としての費用相場は屋根材もしくは外壁材によって変わります。
上記で説明した断熱材の有無などの付加価値により金額に差があるのが現状です。
ガルバリウム鋼板はどんな人にオススメ?
<ガルバリウム鋼板がオススメの人> ・耐久性の高い建材を求める方 ・周囲に沿岸部や工場地帯のない方 ・地震に強い建物を優先したい方 ・金属製の独特な雰囲気やデザインが好みの方 |
メンテナンス方法と時期は?
ガルバリウム鋼板が持つ高い耐久性を最大限に引き出すためにも定期的なメンテナンスが必要です。
定期的な洗浄を
可能であれば定期的に水で洗い流しておくとよいでしょう。
特に雨が当たらない箇所は汚れや藻が発生しやすいので、定期的に洗浄することで錆つきにくくなる効果もあります。
<洗浄方法> 洗浄方法は布やスポンジで軽くこすりながら水で洗い流します。 汚れが落ちにくい時は食器用の洗剤でも構いません。 <注意点> 汚れがしつこいからと言ってたわし等で強くこするのは厳禁です。 傷がついた場合は、そこから錆が発生しやすくなります。 また、洗い流すときは、高圧洗浄機は使わないようにしましょう。 なぜなら強い圧力をかけると凹んでしまい、外観を損ねる可能性があるからです。 |
10年~15年おきの塗装を
大体の目安としては10~15年おきに塗装をすることが大切です。
しかし、ガルバリウム鋼板の種類やご自宅の周辺環境にもよりますので、この周期を意識しつつ、以下の症状が出たら塗装を考えましょう。
こんな症状が出たらメンテナンスを
◆チョーキング現象(白っぽい粉の付く現象)
◆色褪せ
◆傷が多い
◆赤さびもしくは白さびの発生
劣化がひどい場合は葺き替えや張り替えの必要性も
劣化が進み、錆により穴が開いた場合や雨漏りが発生している場合は、水洗いや塗装ではなく、葺き替えや張り替えといった外壁材そのものを交換する作業が必要になってきます。
葺き替えとは、既存の外壁材の上から新しい外壁材を重ねることを言います。
塗装での補修が難しい場合に行われ、既存の外壁材の傷み具合がさほど著しくなく、上から載せる外壁材に耐えうる場合に取られる処置です。
張り替えとは、既存の外壁材を撤去し、一から新しい外壁材を張り替える手法です。
既存の外壁材の傷みが著しい場合に行われます。
既存のガルバリウム鋼板の劣化具合によって正しい処置方法を判断するのはプロに任せた方が安心です。
まずは、ご自宅でできる定期的な洗浄を行っていくことをお勧めします。
本日のブログは以上です。
現在ガルバリウム鋼板を使用中の方や、今後取り入れることを検討中の方は、ぜひ参考にしていただけたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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