- 塗装コラム
- 2024年8月15日
【職人が解説】ケレンって何?効果と費用、手抜き工事対策を公開
いつもウォールハーツのブログを読んでいただきありがとうございます。
外壁塗装の見積書を見た時に「ケレン」という項目を見たことがある人は多いと思います。
実はこのケレンは、塗料が長持ちするために一番大切な作業であり、同時に手抜き工事が発生しやすい箇所でもあります。
そこで今回は、ケレンの効果や費用相場、また手抜き工事とその対策についてまとめましたので、ぜひご一読ください。
【職人が解説】ケレンって何?効果と費用、手抜き工事対策を公開
目次
ケレンとは?何のために行うのか?
下地の表面の汚れを落とす作業
ケレン(ケレン掛け)とは、外壁塗装を行う前の下地処理の工程の1つです。
具体的には下地についたサビや古い塗膜を、紙やすりなどで除去する作業になります。
〈施工の工程〉
①近隣挨拶 ②足場組立(+飛散防止シートの貼付や養生) ③高圧洗浄 ④下地処理 ・目地シーリング補修 ・ひび割れ補修 ・ケレン掛け→この作業 ・錆止め ⑤養生 ⑥塗装(下塗り+中塗り+上塗り) ⑦完了 |
ケレン掛けは外壁をより長持ちさせるのにとても大きな影響をもたらします。
実際のところ、外壁が長持ちする要因の約50%がケレン掛けが占めています。
ケレン掛けは、良い塗料を使うことや、うまく塗装を行うことよりも大きな影響力を持っているのです。
では、具体的なケレン掛けの効果を見ていきましょう。
ケレン掛けの効果
ケレン掛けには2つの効果があります。
①塗布面を整えて仕上がり時の見た目を良くする
ケレン掛けは、塗布面に付着したサビや汚れ、また、古い塗膜を除去し、下地を綺麗に整えるために行われます。
特に鉄部にはサビが侵食しやすいので、ケレン掛けで綺麗にサビを落とす必要があります。
ケレン掛けを行わずに、塗布面に汚れやはがれかけた古い塗膜を残したまま塗装した場合、下記のように塗膜に凹凸ができ、仕上がり時の見た目が非常に悪くなります。
新しく塗る塗料の厚さは0.5mm以下と極めて薄いため、こういった汚れなどの上から塗装するととても目立ってしまうのです。
②塗布面に細かい傷をつけ、塗料の密着性を高める
ケレン掛けは紙やすりや専用の工具を使って、サビや汚れを除去するのですが、この時あえて下地の表面に細かい傷をつけることで、塗料の食いつき(密着性)を高める効果があります。
例えば、塗布面がガラスのように凹凸がなくツルツルしている場合と、若干の凹凸がある場合、後者の方が新しく塗る塗料が密着しやすくなります。
ケレン掛けをしなかったらどうなるのか?
ケレン掛けを行わなかった場合、錆や古い塗膜の上から塗装することになり、下地との間にすき間ができるため、どんなに優れた塗料であっても数年ですぐにはがれてしまいます。
塗膜の剥がれは、雨水の侵入を許し、のちに雨漏りの原因となります。
よってケレン掛けは、外壁をより長持ちさせるために必要不可欠な作業なのです。
ケレンの種類
ケレン掛けは、研磨力の大きい順に1種から4種に分けられます。
サビや古い塗膜を完全に除去するのか、もしくは残すのかなどによって使い分けられ、一般住宅の場合、外壁や屋根の劣化状況に合わせて2種~4種ケレンが使われます。
1種ケレン
1種ケレンは、ブラスト法ともいわれ、剥離剤という特殊な薬品を用い、主に船や橋の現場で使われる手法です。
一般住宅で使用されることはまずありません。
2種ケレン
2種ケレンは、サビの範囲が広かったり、サビ具合が著しい時に使われ、主に鉄骨建築の外壁などで使われます。
ディスクサンダーやパワーブラシを使ってケレン掛けが行われ、サビや古い塗膜を完全に除去します。
3種ケレン
3種ケレンは、サビの範囲が狭かったり、サビ具合が軽度の場合に用いられ、主に一般住宅の外壁や屋根で使われます。
2種ケレンとの違いは、古い塗膜を残しながらサビを落とす点です。
3種ケレンもディスクサンダーやパワーブラシを用いるのですが、狭くて工具が入らない場合は、サンドペーパーという紙やすりのようなものでサビを落としていきます。
4種ケレン
4種ケレンは、サビが発生しておらず、壁にチョーキング現象(白っぽい粉が手につく現象)が見られる場合に使われます。
サンドペーパーや金属スポンジを用い、一般的な外壁や屋根で使われます。
ケレンの費用相場
塗料を長持ちさせるのに必要不可欠なケレンですが、その費用はどれくらいかかるのかを見ていきましょう。
ケレン作業ごとの費用相場
ケレン掛けは、作業によって使う工具や技術が異なり、それぞれに相場が決められています。
見積書にケレン掛けの項目がある場合は相場に収まっているかをご確認ください。
なお、1種ケレンは、船や橋の現場で使われるため、一般住宅で使われることはまずありません。
ケレン作業の手抜き業者には注意
ケレンは、多くが手作業で行われ、半日から丸1日かけてじっくり丁寧に行う作業なため、職人の手間がかかります。
また、塗料を上から塗ってしまえば、ある程度のサビを隠すことができるため、手抜き工事が発生しやすい作業でもあります。
ここでは、ケレン掛けの手抜き工事の例と対策についてお伝えします。
見積書にケレンの項目があるかどうか
作業内訳書や見積書を見て、「ケレン」の項目があるかどうかを確認しましょう。
悪質業者の場合、契約率を上げるために、契約金額を低くし、その分ケレン作業を行わないことがあります。
また、「ケレン」の項目がない場合、「下地処理」の項目の中に含まれている可能性があるため、念のため業者に確認することも大切です。
施工中の写真を送ってもらう
2種ケレンの場合は、ディスクサンダーなどの電気工具を使うため、音が鳴るのでわかりやすいのですが、3種ケレンや4種ケレンの場合、サビの劣化度が低いことから紙やすりなどの手作業で済むため、実際に行っているかどうかは写真を見せてもらわないとわかりません。
よって、契約前に施工中の様子を都度写真などで送ってもらえるかどうかを聞いておいた方が安全です。
ケレン作業を無料で行う業者には注意
たまにケレン作業を無料で行いますと謳う業者がいます。
お伝えした通り、ケレン作業は塗料を長持ちさせるために重要な作業であり、かつ費用も10万円以上かかる場合があります。
そんな大切な作業を無償で行うとされた場合、別の部分で手抜きが行われる可能性があります。
例えば実際に施工する際に、一つランクの下がった塗料を使われたり、塗る回数が減らされたりするリスクがあります。
必要な工程を適切な価格でしっかりと工事してくれる業者こそ優良業者といえます。
さて、今回はケレンに関してお伝えしましたがいかがでしたでしょうか?(^^♪
大切な住宅を守るためにも、外壁塗装を業者に依頼する際は、ケレン作業をきちんと行う優良業者を選択するよう心がけましょう。
本日のブログは以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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